あなたは霊柩車に乗った事がありますか

2019年01月06日
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いきなり霊柩車に乗った経験を聞かれた事って、きっとないのではないでしょうか。ですから敢えて聞きます。あなたは霊柩車に乗った事がありますか。まだ幼かった頃、霊柩車を見ると何かいい事があるんだよ。とか、指で指したらいけないよ。

って、そう云う話しはきっと聞いた事があるでしょうが、さて実際に乗った経験と云うのは余りない筈です。なぜなら、それに乗ると云う事は、身近に居るどなたかにご不幸があって、葬儀を執り行い、しかも乗る事が許されているのは、ほぼ喪主に限られているからです。

ですから、なかなかできる経験ではないのですが、実は過去に二度、乗せて戴きました。母の実家に養子に入った事で、早くに両親を送る喪主を二度経験したからです。義父の葬儀の時は、まだ二十歳でした。本来なら義母が喪主だった訳ですが、この時は既に義母は病床に伏していて葬儀には出られませんでした。棺を乗せるところから荼毘にふすまでの間、車内は運転手さんと自分のみだった訳ですが、運転手さんとお話しをさせて戴きました。そして、この仕事をされている誇りや、過去のお仕事で経験した辛いお話し、心温まるお話し、運転するうえでのルールの様な事も教えて下さいました。そんな中でとても印象に残ったのは、斎場に故人をお連れした道とは違う道を必ず通って戻ると、云う事です。これは、黄泉の国に旅立とうとしている故人が、現世に戻って来られない様に引導を渡す意味もあるそうです。送り人のお仕事は人の魂の行く先を見届けるお仕事なのだと感謝しながら気付きました。

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